子どもが3人以上いると、高校までは何とかなると思っていても、大学や専門学校への進学が重なると一気に家計への負担が増えていきます。この記事では、長男が就職、次男が大学、三男が専門学校という進路を選んだ多子世帯のわが家が、実際に大学と専門学校にいくら支払ったのか、多子世帯向けの授業料無償化制度でどこまで負担が軽くなったのかを、制度開始が間に合わなかった大学と恩恵を受けられた専門学校の対比も含めて整理します。
きょうだい3人分の進路とお金の全体像
うちには子どもが3人います。
- 長男は高校卒業後に就職
- 次男は、わが家ではじめて「高校から大学に進学した子」
- 三男はその3つ下で、専門学校に進みました
同じ多子世帯でも、きょうだいそれぞれで進路もタイミングも違います。
その結果、大学に行った次男のときにはほとんど何の支援もなく、専門学校に行った三男のときには多子世帯の無償化制度と給付金の支援を受けられる、という不思議なかたちになりました。
次男の大学進学でかかったお金
次男は、自宅から通える文系の私立大学に進学しました。
アパート代や仕送りはなく、いわゆる「自宅通学」で済んだケースです。
学費はだいたい
- 年間の学費が約120万円
- 入学金が20万円ほど
だったと記憶しています。
文系の私立大学の学費は、全国平均でも「入学金を含めた初年度が120万円前後、2年目以降は年間100万円前後」が目安と言われていて、わが家のケースもだいたいそのラインに収まっていました。
これに加えて、
- 授業やレポート提出に必要になったノートパソコン代
- 入学式などで着るスーツ代
といった費用もまとまってかかりました。
自宅から通えるぶん、一人暮らしの家賃や光熱費、食費などは不要でしたが、それでも
「学費だけでここまでかかるのか…」
というのが正直な実感でした。
しかも、次男が大学に入学したころは、まだ多子世帯の授業料無償化制度は始まっていません。
そのため大学については、
- 授業料
- 入学金
- ノートパソコン代やスーツ代
すべて、わが家の自己負担でした。
私立文系大学の4年間の学費は、授業料・施設費などを合わせるとおおよそ400万〜450万円程度と言われており、わが家もそれに近い金額をコツコツと払い続けることになりました。
次男の大学費用については、学資保険が100万円しかなかったわが家がどう乗り切ったか、別の記事でよりくわしく書いています。
三男の専門学校進学でかかったお金
三男は、高校卒業後に専門学校に進学しました。
分野としては、調理・製菓系の2年制の専門学校です。
専門学校の学費は分野によって差がありますが、調理や製菓、美容など実習の多い分野は、材料費や設備費もあり高くなりやすいと言われています。
うちの三男の場合、
- 年間の学費が1年あたりおよそ200万円
- 初年度には入学金
- さらに、専用の調理器具一式
- 授業やレポートに使うノートパソコン
- 入学式用のスーツ
といった費用も必要になりました。
大学との大きな違いは、やはり「道具代」がしっかりかかることです。
コックコートや包丁、実習で使う道具類は一式そろえる必要があり、その分まとまった出費になりました。
二人分の学費が重なった1年間は、350万円以上が一気に出ていった
長男・次男・三男の進路を並べると、
- 長男:高校卒業後すぐに就職
- 次男:自宅通学の文系私立大学へ進学
- 三男:3学年下で、専門学校へ進学
という順番です。
次男と三男は3つ違いなので、1年間だけ、二人の進学が重なるタイミングがありました。
この「1年だけかぶった年」が、家計的には本当にきつい年でした。
そのときに実際にかかったのは、
- 次男の大学の学費が、年間およそ120万円
- 三男の専門学校の学費が、年間およそ200万円
- さらに、専門学校の入学金
- ノートパソコン代
- 入学式用のスーツ代
などです。
二人合わせると、
- 学費だけで少なく見積もっても年間320万円
- そこに専門学校の入学金やパソコン代、スーツ代が重なって
- 1年間で350万円以上は教育費に使いました
という計算になります。
しかも、この頃はまだ多子世帯の大学等授業料無償化制度が動き出す前。
次男の大学の学費も、三男の専門学校1年目の学費も、すべてわが家の自己負担でした。
「高校まではなんとかなる」と思っていた感覚のまま、いきなり
「大学と専門学校が一気に乗ってくると、ここまで違うのか…」
と現実を思い知らされた1年でした。
2025年度から始まった多子世帯無償化は、制度としては大学も専門学校も対象
こうした中で、2025年度から「多子世帯の大学等授業料等無償化」という新しい制度が始まりました。
この制度は、
- 扶養している子どもが3人以上いる世帯を対象に
- 所得制限なしで
- 大学や短大、高専、専門学校などの授業料と入学金を
- 国が定める上限額まで無償(実際には減額)にする
というものです。
ここでいう「大学等」の中には、
- 四年制大学
- 短期大学
- 高等専門学校
- 専門学校
がまとめて含まれていて、「大学だけが特別」というわけではありません。
各大学や専門学校のサイトでも、「多子世帯の大学等授業料等無償化」として、大学も専門学校も同じ枠で案内されています。
それでも、上の子の大学には間に合わなかった
ただ、制度としては大学も対象になっているとはいえ、わが家の場合はタイミングがまったく合いませんでした。
- 次男が大学に入学した時点では、この多子世帯無償化はまだ動き出していなかった
- 制度がスタートしたのは、次男がすでに在学して数年たってから
- 結果として、次男の大学4年間は、授業料も入学金も全額自己負担のまま
という流れです。
ニュースや学校の案内で
「2025年度から、扶養する子どもが3人以上いる世帯の大学授業料等を無償化します」
と見たときには、
「もう少し早く始まってくれていたら、うちの大学費用も違っていたのにな…」
という、ちょっと悔しいような、複雑な気持ちになりました。
実際、政府は2025年度から多子世帯の大学授業料等を無償化すると打ち出していますが、対象になるのは「その年度以降に在籍している学生」に限られます。
つまり、制度自体はありがたくても、「すでに卒業している子」や「導入前にほとんどの在学期間を終えている子」には、実際の恩恵が届かない場合もあります。
専門学校だけがちょうど制度スタートに重なった
一方で、三男の専門学校のほうは、ちょうど良いタイミングで制度スタートに重なりました。
- 三男が専門学校に入学した翌年度が、ちょうど多子世帯無償化の開始年度だった
- そのため、専門学校の2年目だけが、この制度の対象になった
という形です。
多子世帯無償化の枠とは別に、高等教育の修学支援新制度の拡充として、給付型の奨学金も組み合わさるケースがあります。
わが家の場合も、
- 専門学校について、年間でおよそ50万〜60万円ほど授業料が減額され
- さらに毎月1万円程度の給付型支援が卒業まで続く
という形で支援を受けることができました。
その結果、三男の専門学校2年目に実際に自分たちが負担した金額は、
1年目と比べて、およそ60万〜70万円ほど少なく済んだ
という計算になります。
もしこの制度や給付金がなかったら、2年目も1年目と同じように全額自己負担だったと思うと、本当にありがたかったです。
制度とタイミングで、きょうだいごとにこんなに差がついた
こうして振り返ってみると、3人きょうだいそれぞれで、教育費と支援の受け方がまったく違っていたことに気づきます。
- 長男:高校卒業後に就職。進学費用はほとんど不要
- 次男:私立文系大学へ進学。4年間の学費はほぼ全額自己負担
- 三男:2年制専門学校へ進学。1年目は自己負担だが、2年目は多子世帯無償化と給付金でかなり軽くなった
同じ親で、同じように育ててきたつもりでも、
- 制度があるかどうか
- その制度がどの年度から始まるか
- うちの子の進学のタイミングと重なるかどうか
だけで、きょうだいごとに受けられる支援がまったく違ってしまいます。
2025年度からの多子世帯無償化は、扶養する子どもが3人以上いる世帯の大学や専門学校の授業料・入学金を一定額まで減免する制度ですが、在学している年度によってはそもそも対象外になってしまうケースもあると、各大学の案内にも書かれています
わが家の場合は、
- 次男の大学にはまったく間に合わなかった
- 三男の専門学校2年目だけ、ちょうど制度スタートと重なった
という、少しアンバランスなかたちになりました。
これから進学する多子世帯の親御さんへ
最後に、多子世帯の親として、これからお子さんの進学を考える方にお伝えしたいことをまとめておきます。
- 多子世帯向けの授業料無償化は、大学だけでなく専門学校も対象に含まれている
- ただし、いつ入学するか、いつ在学しているかという「タイミング」で、受けられる支援が大きく変わる
- 制度の細かい条件や上限額は、家庭ごと・学校ごとに違う
- 申請しない限り、支援を受けられるかどうかのスタートラインにも立てない
だからこそ、これから進学を考えている多子世帯の方には、
- 「うちは対象かもしれない」と一度立ち止まって
- 在籍校や志望校のサイトで「多子世帯 無償化」「授業料 減免」「奨学金」のページをチェックしてみる
- それでも分からなければ、遠慮せずに学校の奨学金窓口に電話してみる
という一歩を、できれば早めに踏み出してほしいなと思っています。
制度の細かいところまですべて理解していなくても、
まずは「こういう仕組みがあるらしい」と知っておくだけでも、選べる道は変わります。
長男・次男・三男と、それぞれ違う形で進路とお金に向き合ってきて、
いま振り返っていちばん強く思うのは、
多子世帯こそ、情報を取りに行った人から順番に、少しずつラクになっていく
ということかもしれません。
この体験が、夜中にひとりで教育費の計算をしている、どこかの多子世帯の親御さんの気持ちを、ほんの少しでも軽くできたらうれしいです。
振り返って感じること
ここまで振り返ると、次男と三男の進学に使ったお金は、トータルで1000万円以上にはなっていると思います。
正直、今「同じ金額をもう一度出して」と言われたら、しんどいとしか言えません。
それでも、夫婦で話し合いながら何とか乗り切ってきたことで、「やり遂げた」という感覚はかなり大きいです。
私にはまだ小さい子どもが2人いますが、上の3人については、一旦ひと区切りがつきました。
「子育ては終了した」と思えるところまで来られて、今はほっとしています。
冷静に考えると、これでもまだ安く済んでいるほうかもしれません。
専門学校の学費はかなり高めでしたが、大学は文系だったので理系よりは抑えられましたし、大学も専門学校も家から通学してくれたので、一人暮らしにともなう家賃や生活費はかかりませんでした。
定期代は必要でしたが、その分、引っ越し費用や一人暮らし用の家電・家具一式などの初期費用はかからずに済んでいます。
お金はかかるけれど、いつかは終わる
子どもは本当にお金がかかります。
けれど、大人になって就職した今は、そのお金の流れも少しずつ変わってきました。
- 自分たちのお給料から、ときどき差し入れを買ってきてくれる
- それぞれ毎月3万円ずつ、家にお金を入れてくれる
- 以前は最大5台分払っていたスマホ代も、今は2台分だけになった
出ていくお金が多かった頃から、少しずつ「入ってくるお金」も増え始めて、家計の向きが逆になってきたのを感じています。
だからこそ、今もし同じように
「教育費が重なって、毎月お金のことばかり考えてしまう」
という方がいたら、お伝えしたいのは一つだけです。
お金でしんどいのは、ずっとではなく「期間限定」です。
いつかは必ず終わります。
わたしたち夫婦も、当時は
「今500万円ぽんと渡されても、まだ足りないよね」
と本気で話していたくらい、「お金、お金、お金…」と頭の中がお金でいっぱいでした。
それでも、振り返ってみると、その「しんどかった時期」に終わりはちゃんとありました。
いま同じような状況にいる方がいたら、どうか必要以上に自分を責めすぎず、「今はそういう時期なんだ」と思いながら、一緒に踏ん張っていきましょう。


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